2025/07/02
レコードのクリーニング方法 | 必要な道具とクリーニング時の注意点

レコードを大切にしている音楽愛好者にとって、レコードの音質は何よりも重要です。しかし、長年の使用や保管環境の影響で、ホコリや汚れが溝に入り込み、音質が劣化することがあります。そんなとき、適切なクリーニング方法を知らないと、大切なレコードを傷つけてしまうことも。
そこでこの記事では、レコードクリーニングの基本的な手順から、使用すべき専用道具、クリーニング時に気を付けるべき注意点まで、詳しく紹介します。この記事を読むことで、レコードを傷つけることなく、音質を保ちながらクリーニングができるようになります。
レコードを愛するすべての方、特に大切なコレクションを長く楽しみたいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1. レコードのクリーニング道具
レコードをクリーニングする際は、適切な道具を選ぶことで、レコードを傷つけることなく効果的に汚れを取り除くことができます。具体的には、以下のような道具です。
・レコードブラシ(カーボンファイバー製)
・マイクロファイバークロス
・レコードクリーナー液
・クリーニングパッド/専用クロス
・レーベルプロテクター
・レコードウォッシャー(手動/自動)
・超音波洗浄機
・スタイラスクリーナー(針先クリーナー)
それぞれの特徴や使い方を解説していきます。
1-1. レコードブラシ(カーボンファイバー製)
レコードブラシ(カーボンファイバー製)は、非常に細い毛がレコードの溝に入り込み、ホコリを取り除きます。また、静電気を除去する機能も備えており、レコードの音質を守ります。
使用時は、力を入れすぎず、優しくブラシをかけることが大切です。
1-2. マイクロファイバークロス
マイクロファイバークロスは、柔らかく吸水性が高いため、細かなホコリや軽い指紋を取り除くのに最適です。
毛羽立ちが少ない専用のものを使用することで、レコード表面を傷つけることなく清潔に保つことができます。
1-3. レコードクリーナー液
レコードクリーナー液は、レコード表面の汚れを浮かせて除去する専用の液体です。アルコール成分が強いものはレコードにダメージを与える可能性があるため、レコード専用のクリーナーを選ぶことが重要です。
スプレータイプと液体タイプがあり、スプレータイプは手軽に使え、液体タイプはより深い汚れを取り除きやすいです。
1-4. クリーニングパッド/専用クロス
クリーニングパッドや専用クロスは、クリーナー液を使ってレコードを拭き取るための道具です。ベルベットや超極細繊維でできており、レコードに傷をつけにくい素材です。
常に清潔な面を使って拭き取ることが大切です。
1-5. レーベルプロテクター
レーベルプロテクターは、レコードのラベル部分を水やクリーナー液から保護するためのアクセサリーです。ウェットクリーニングや水洗いをおこなう際に、ラベル部分を守ることで、劣化を防ぎます。
1-6. レコードウォッシャー(手動/自動)
レコードウォッシャーは、クリーニング液を使用してレコードを洗浄する機器です。手動式と電動式があり、電動式の方が効率よく汚れを取り除くことができます。
手作業では届きにくい溝の奥まで清掃できるため、より深い汚れも取り除くことが可能です。
1-7. 超音波洗浄機
超音波洗浄機は、微細な超音波振動を使用してレコードの汚れを浮かせて取り除きます。この方法は、レコードに物理的な摩擦を与えず、溝の奥まで優しく洗浄することができ、従来のクリーニング方法では取り除けない汚れも効果的に除去できます。
1-8. スタイラスクリーナー(針先クリーナー)
スタイラスクリーナーは、レコード針に付着した汚れを取り除くための道具です。定期的に針をクリーニングすることで、音質の劣化を防ぎ、クリアな音を保ちます。
ジェルタイプやブラシタイプなど、さまざまな種類があります。
2. レコードのクリーニング手順
レコードのクリーニングをするときは、基本的な手順を守ることで、ホコリや汚れを効率的に取り除き、レコードを長持ちさせることができます。
ここからは、レコードのクリーニング手順を以下の3つに分けて解説していきます。
・基本的な日常クリーニング(再生前後のホコリ除去)
・ウェットクリーニング(指紋、油膜、軽いカビなどの除去)
・超音波洗浄機やレコードウォッシャーを使ったクリーニング
それぞれ見ていきましょう。
2-1. 基本的な日常クリーニング(再生前後のホコリ除去)
レコードを使用する前後の簡単なクリーニングは、音質を改善し、レコードを守るための重要な工程です。クリーニングの流れを6つの手順に分けて解説していきます。
2-1-1. レコードをターンテーブルに乗せる
まず、レコードをターンテーブルにしっかりと乗せます。このとき、安定した場所にレコードを置くことが重要です。ターンテーブルの回転を安定させるためにも、平らな面にセットします。
2-1-2. ブラシをレコードに軽く当てる
次に、カーボンファイバー製のレコードブラシを使い、ブラシの毛先をレコードの溝に沿って軽く当てます。ブラシはレコードの盤面と平行になるように配置し、優しく触れるだけで十分です。
2-1-3. レコードを回転させる
ターンテーブルを回転させることで、レコードを少しずつ回転させながらブラシをかけます。このとき、ブラシは固定したままにし、レコードの回転に合わせて汚れを取り除くことがポイントです。
2-1-4. ホコリをかき出す
レコードが回転している間に、ブラシの毛先がレコードの溝の奥に溜まったホコリをかき出します。このとき、静電気も除去され、ホコリだけでなく、音質を損なう原因となる微細な汚れも取り除かれます。
2-1-5. ブラシをゆっくり引き上げる
レコードの回転が終わったら、ブラシをまっすぐに引き上げます。ブラシを引くことで、レコード盤の外側にホコリがかき出され、盤面からきれいに取り除かれます。
引き上げるときは、焦らずゆっくりおこなうことが大切です。
2-1-6. ブラシのホコリを取る
最後に、ブラシに付いたホコリを取り除きます。ブロワーを使ってホコリを吹き飛ばすか、手で払ってきれいにします。クリーニング後はブラシを清潔に保ち、次回の使用に備えます。
2-2.ウェットクリーニング(指紋、油膜、軽いカビなどの除去)
ウェットクリーニングは、レコードの溝に入り込んだ頑固な汚れや、指紋、油膜、軽いカビなどを除去するのに効果的です。この手順を実行することで、レコードの音質を改善し、再生中のノイズや歪みを防ぐことができます。
2-2-1. レコードを平らな場所に置く
レコードのウェットクリーニングを始める前に、平らで清潔な作業スペースを確保することが大切です。安定した場所にレコードを置くことで、クリーニング中にレコードが動かず、効率よく作業を進めることができます。
また、ホコリや汚れを防ぐため、柔らかい布を敷くとさらに安心です。
2-2-2. (オプション)レーベルプロテクターを装着する
ウェットクリーニングをおこなう際は、レコードのラベルが濡れないようにレーベルプロテクターを装着しましょう。
レーベルプロテクターには、ラベル部分を保護し、汚れや水分が直接触れないようにする役割があります。特に水洗いやクリーナー液を使用する場合に役立ちます。
2-2-2. クリーナー液を塗布する
クリーナー液をレコードに塗布する際は、まずクリーニングパッドやマイクロファイバークロスに液を少量含ませます。
スプレータイプを使用する場合は、レコード盤面に直接吹きかけますが、ラベル部分にかからないように注意が必要です。液の量は少なめにし、過剰に使用しないことがポイントです。
2-2-3. レコードを拭く
クリーナー液を塗布したら、レコードの溝に沿って優しく拭き取ります。内側から外側へ、または円を描くように拭くのが理想的です。力を入れすぎず、均一に拭くことを心掛けます。
汚れがひどい場合は、クリーニングパッドやクロスを新しい面に変えて繰り返し拭きます。強く擦るとレコードを傷つける可能性があるので、注意が必要です。
2-2-4. 乾いた面で拭き取る(または自然乾燥)
クリーナー液で拭き取った後は、清潔な乾いたマイクロファイバークロスを使用して残った液や汚れを優しく拭き取ります。その後、レコードを完全に乾燥させてください。
乾燥が不十分な状態で再生すると、音質の劣化や針の汚損を招くため、乾燥ラックで自然乾燥させるとよいでしょう。
2-2-5. レーベルプロテクターを外す
レーベルプロテクターを使用した場合、レコードが完全に乾燥したあとにプロテクターを外します。これで、ラベル部分も無事に保護され、汚れや湿気から守られた状態で保管できます。
2-2-6. 新しいインナースリーブに入れる
ウェットクリーニング後、レコードを新しいインナースリーブに入れることをお勧めします。特に帯電防止効果のあるインナースリーブを使用すると、ホコリの付着を抑え、静電気の発生防止が可能です。
これにより、レコードを長期間良好な状態で保つことができます。
2-3. 超音波洗浄機やレコードウォッシャーを使ったクリーニング
超音波洗浄機やレコードウォッシャーは、頑固な汚れや大量のレコードを効率的にクリーニングするために非常に効果的な方法です。これらの機器を使うことで、手作業では取りきれない汚れを深層まで除去することができます。
2-3-1. 機器の準備
機器を使用する前に、まず必要なクリーニング液(たとえば精製水や専用のレコードクリーナー液)を準備します。
また、機器の電源を入れ、クリーニングが開始できる状態に整えます。その際、使用する機器の取扱説明書をよく読み、適切な設定を確認してください。
2-3-2. レコードをセット
多くの機器では、レコードを機器にしっかりと固定する必要があるため、説明書の指示に従ってレコードをセットしてください。いくつかのモデルでは、複数のレコードを同時に洗浄できる機能もあるため、洗浄する枚数に合わせてセットをおこないしょう。
2-3-3. 洗浄開始
機器を操作して、洗浄を開始します。
超音波洗浄機の場合、微細な振動でレコードの溝に入り込んだ汚れを浮かせて取り除きます。一方レコードウォッシャーでは、ブラシや回転するメカニズムによって汚れを効果的に除去します。
機器の設定に従って、洗浄時間が終了するまで待ってください。
2-3-4. 乾燥
洗浄が終わったら、乾燥をおこないます。多くの機器には乾燥機能が備わっており、洗浄後すぐにレコードを乾燥させることが可能です。乾燥機能がない場合は、乾燥ラックにレコードを立てかけ、自然乾燥させることをお勧めします。
完全に乾燥させてから保管を始めることで、次回使用時に最良の状態で楽しむことができます。
3. レコードのクリーニング全般における重要な注意点
最後に、レコードのクリーニングをおこなう際の注意点として以下の4点を解説していきます。
・清潔な環境で作業する
・専用の道具を使う
・力を入れすぎない
・完全に乾燥させる
これらのポイントを守ることで、レコードの状態を守り、音質の劣化を防ぐことができます。
3-1. 清潔な環境で作業する
レコードのクリーニングは、ホコリの少ない清潔な場所でおこなうことが重要です。作業中にホコリがレコードに付着すると、クリーニングの効果が薄れるだけでなく、音質にも悪影響を与えます。
作業するスペースを清潔に保つことで、余計な汚れの付着を防ぎ、より良い仕上がりが得られるでしょう。
3-2. 専用の道具を使う
レコードクリーニングには、専用の道具を使用することが不可欠です。家庭用洗剤や一般的な布巾を使うと、レコードを傷つけたり、洗浄液の成分が残って音質に悪影響を与える可能性があります。
レコード専用のブラシやクリーナー液を使用することで、レコードを安全に、効果的にクリーニングできます。
3-3. 力を入れすぎない
レコードの溝は非常にデリケートであり、過度の力で擦ると傷がついてしまう恐れがあります。クリーニングをおこなう際には、優しく、丁寧に扱うことが最も重要です。
特に、ブラシやクロスを使用する際は、力を入れすぎず、レコードを傷つけないよう注意しましょう。
3-4. 完全に乾燥させる
クリーニング後は、レコードを完全に乾燥させることが必要です。湿った状態で再生すると、針に汚れが付着しやすくなり、音質の低下を招くことがあります。
レコードを乾燥ラックで自然乾燥させるか、乾燥機能がある機器を使用して、しっかりと乾かすことが大切です。
4. まとめ
レコードのクリーニングは、音質を保つために欠かせない作業です。日常的なホコリ除去から、ウェットクリーニングや超音波洗浄機を使った徹底的な汚れ除去まで、適切な道具と方法を選ぶことが重要です。
また、クリーニング時には清潔な環境で作業を行い、専用の道具を使用し、力を入れすぎず、完全に乾燥させることが大切です。これらの基本的な手順と注意点を守ることで、レコードを長期間良好な状態で保ち、クリアな音質を楽しむことができます。
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コラム監修者
テキスト〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇