2025/12/08

ダンスミュージックとは?種類やジャンル・歴史などを徹底解説

ダンスミュージックとは?種類やジャンル・歴史などを徹底解説

思わず体を動かしたくなるようなリズムの「ダンスミュージック」。YouTubeのおすすめや、街中でお買い物中に耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

そんななか、「ダンスミュージックってどんな音楽?」「ダンスミュージックにはどんな種類があるの?」と疑問に感じていませんか?

そこでこの記事では、ダンスミュージックの基本的な定義から、代表的な6つのジャンル、そして会話で使える基礎用語までを徹底解説します。

ダンスミュージックの特徴や種類・生まれた歴史を知るだけで、音楽の聴こえ方は劇的に面白くなります。ぜひ最後までご覧ください。

1.ダンスミュージックとは?


ダンスミュージックとは、文字通り踊ることを主目的に作られた音楽の総称です。歌詞の意味を深く味わう鑑賞用の音楽よりも、聴く人の体を本能的に動かすリズムやビートを重視した音楽全般を指します。

広い意味ではワルツやタンゴなども含まれますが、現代においては、シンセサイザーやコンピューターを使って制作された「電子音主体のクラブミュージック」を指すのが一般的です。たとえば、クラブやフェスティバルで流れるような、強いビートが繰り返される楽曲がこれに該当します。

時代によって定義は変化しますが、「人々を踊らせたい」という根本的な目的は変わりません。フェスやクラブだけでなく、BGMやフィットネスなど、私たちの日常のさまざまなシーンに溶け込んでいるのがダンスミュージックです。

2.ダンスミュージックの種類・ジャンル

ダンスミュージックの代表的な種類・ジャンルは、以下の6つです。

・EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)
・ハウス
・テクノ
・HIP HOP/R&B
・ディスコ
・トランス

それぞれ解説します。

2-1.EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)

EDMは広義には電子ダンス音楽全般を指しますが、現代の文脈では2000年代以降に流行した「フェス向けの派手なサウンド」を指すことが一般的です。

巨大なスタジアムや野外フェスで大勢の観客を熱狂させるために、商業的に進化してきた歴史があるからです。徐々に盛り上げていく「ビルドアップ」から、一気にエネルギーを解放する「ドロップ(サビ)」へのドラマチックな展開が特徴的です。

誰もが知るポップスターとのコラボレーションも多く、現代において最もメインストリームなダンスミュージックの形となります。派手で分かりやすい展開が好きな方に、とくにおすすめのジャンルです。

2-2.ハウス

ハウスは、現代のダンスミュージックにおいて最も基本となり、かつ王道と言えるジャンルです。

一般的なハウスのテンポ(BPM115〜130)は、安静時心拍(BPM60〜100)より速いテンポの「4つ打ち」ビートで、誰にでも親しみやすいグルーヴを生み出しています。ソウルフルな歌声が入った「ボーカルハウス」から、楽器の音色を重視したお洒落な楽曲まで、表現の幅は広いです。

また、カフェやファッションショーのBGMとしてもよく使われており、耳馴染みが良いのが特徴です。ダンスミュージック初心者の方が、最初に聴き始めるジャンルとしておすすめです。

関連記事:ハウスミュージックとは?ほかジャンルとの違いや歴史を解

2-3.テクノ

テクノは、ハウスと同じく「4つ打ち」を基本としながらも、より無機質で機械的なサウンドを追求したジャンルです。

メロディによる感情表現よりも、音そのものの質感や、反復が生み出す陶酔感を重視している点が、他のジャンルと大きく異なります。工場のような金属的な音や、電子的なノイズが延々とループされる楽曲などは、その典型的な例です。

一見単調に聞こえるかもしれませんが、そのミニマルな反復の中に没入していく感覚こそが、テクノの醍醐味となります。音の細部に入り込むような、ストイックで深い音楽体験を求めている方に適しています。

2-4.HIP HOP/R&B

HIP HOPは、ブレイクビーツ(ドラムのブレイクを延長・ループ)を基盤とするラップ音楽を中心に、ダンスやファッションなどを含むアフリカ系アメリカ人コミュニティ発のカルチャーです。そしてR&Bは、ソウルやゴスペルをルーツにもつアフリカ系アメリカ人のポピュラー音楽ジャンルの一つです。

これらは単なる音楽ジャンルにとどまらず、ダンス、ファッション、グラフィティなどを含む「ストリートカルチャー」そのものと密接に関わっています。力強いラップを乗せたトラックや、ソウルフルな歌声が響くメロウな楽曲など、メッセージ性が強いことも大きな特徴です。

もともとはディスコ音楽の間奏部分をループさせたことから始まり、現在では世界のポップスシーンを牽引する存在となりました。リリックやアーティストの生き様も含めて音楽を楽しみたい方にぴったりです。

2-5.ディスコ

ディスコは、1970年代に一世を風靡した、現代ダンスミュージックの偉大なるルーツです。

生楽器による華やかなストリングス(弦楽器)や、うねるようなベースラインが、ソウルやファンクをベースにした煌びやかな世界観を作り出しているからです。映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の流行に見られるように、ミラーボールの下で華やかに踊るための音楽として世界中で愛されました。

近年の「ディスコ・リバイバル」ブームにより、ダフト・パンクなどの現代アーティストによって再解釈され、再び注目を集めています。レトロでゴージャス、そしてハッピーな気分になりたいときに最高の音楽です。

2-6.トランス

トランスは、その名の通り「トランス状態(催眠状態)」に導くような、強い没入感と高揚感を持ったジャンルです。

一般にBPM120〜140程度(サブジャンルにより幅あり)という比較的速いテンポに加え、叙情的なメロディと宇宙的なシンセサイザーの音が、聴く人の感情を揺さぶるためです。長いブレイク(静寂)パートを経て、壮大なメロディと共にビートが戻ってくる瞬間の爆発力は、ほかのジャンルにはないドラマチックな魅力があります。

1990年代後半から2000年代にかけて世界的なブームを巻き起こし、今なお根強いファンを持っています。泣けるような美しいメロディと、疾走感の両方を味わいたい方におすすめです。

3.ダンスミュージックの歴史


ダンスミュージックの歴史は、以下のとおりです。

・【1970年代】ディスコの黄金期
・【1980年代】ハウスとテクノの誕生(アメリカ)
・【1990年代】ヨーロッパへの波及とレイヴ・カルチャー
・【2000年代〜現在】EDMによるメインストリーム化

ひとつずつ解説します。

3-1.【1970年代】ディスコの黄金期

ダンスミュージックの歴史の原点は、1970年代のディスコブームにあると言っても過言ではありません。

この時代に、DJが2台のターンテーブルを使って曲を途切れさせずに繋ぐ手法が確立され、「一晩中踊り続ける」という文化が生まれたためです。ニューヨークの「The Loft」や「Paradise Garage」といった伝説的なクラブ(当時はディスコ)が誕生し、人種やセクシャリティを超えて人々が音楽で繋がる場所となりました。

ソウルやファンクを長時間踊れるように編集した「ディスコ・ミックス」もこの頃に発明されています。現代のクラブカルチャーの基礎は、すべてこの時代に築かれたと言えます。

3-2.【1980年代】ハウスとテクノの誕生(アメリカ)

1980年代に入ると、安価なドラムマシンやシンセサイザーの普及により、アメリカのシカゴとデトロイトで革命的な新しい音楽が誕生しました。

シカゴではディスコをより機械的に再構築した「ハウス」が、デトロイトでは機械文明への憧れを音にした「テクノ」が、それぞれ産声を上げたためです。これらは当初、地元のアンダーグラウンドな黒人コミュニティやゲイコミュニティで楽しまれていたローカルな音楽でした。しかし、その革新的な電子サウンドは、海を越えて世界中の若者を熱狂させることになります。

今日私たちが耳にするエレクトロニック・ダンス・ミュージックの「骨格」は、この時代に完成したのです。

3-3.【1990年代】ヨーロッパへの波及とレイヴ・カルチャー

アメリカで生まれたハウスとテクノは、1990年代に入るとヨーロッパ、特にイギリスへ飛び火し、爆発的な進化を遂げました。

鬱屈した若者たちが廃工場や野外に集まり、非合法な大規模パーティを行う「レイヴ(Rave)」カルチャーとして社会現象化したためです。この熱狂のなかで、より高速な「ドラムンベース」や、瞑想的な「アンビエント」、攻撃的な「ガバ」など、多種多様なサブジャンルが次々と派生しました。

ケミカル・ブラザーズやアンダーワールドといったスターが登場し、ダンスミュージックがロックに代わる若者の共通言語となった時代です。音楽が単なる娯楽を超え、ひとつの巨大なユースカルチャーとして定着した重要な時期でした。

3-4.【2000年代〜現在】EDMによるメインストリーム化

2000年代後半以降、ダンスミュージックは「EDM」という新たな言葉と共に、アメリカを中心とした世界のポップス・チャートを席巻しました。

PC一台で誰でも高品質な楽曲制作が可能になり、インターネットを通じて瞬く間に世界中に拡散されるようになったためです。デヴィッド・ゲッタやアヴィーチーといったDJがポップスターとして認知され、ラスベガスやマイアミで開催されるフェスは数万人規模の巨大ビジネスへと成長しました。

かつてはアンダーグラウンドな存在だったダンスミュージックが、完全に市民権を得てメインストリーム化したのです。今やラジオやCMでダンスミュージックを耳にしない日はないほど、私たちの日常に浸透しています。

4.会話で使えるダンスミュージック基礎用語

会話で使えるダンスミュージック基礎用語を、以下にまとめました。

・BPMと4つ打ち
・ドロップ
・アンセムとディグる

それぞれ解説します。

4-1.BPMと4つ打ち

BPM(Beats Per Minute)は曲の速さを表す数値、4つ打ちは心臓の鼓動のように「ドン、ドン、ドン、ドン」と等間隔に刻むリズムのことです。これらはジャンルを区別する際の最も基本的な物差しとなるため、最初に覚えておくべき用語です。

一般的にハウスは115〜130、テクノ/トランスはBPM120〜140、ドラムンベースはBPM160〜180が典型といった判断基準になります。曲のテンポ感やリズムの特徴を説明したい時に、非常に便利な言葉です。

4-2.ドロップ

「ドロップ(Drop)」とは、EDMなどの楽曲において、ビルドアップで高めた緊張感が解放される「サビ」にあたる、一番盛り上がる瞬間のことです。現代のダンスミュージックにおいては、このドロップでいかに観客を踊らせるかが、楽曲の良し悪しを決める最大のポイントとされているためです。

J-POPで言うところの歌のサビとは異なり、ボーカルが無くなって激しいシンセサイザーの音だけになることも珍しくありません。フェスなどで全員が一斉に飛び跳ねるあの瞬間こそが、まさにドロップです。

「この曲のドロップがエグい!」といった表現は、若者を中心にSNSなどで頻繁に使われています。

4-3.アンセムとディグる

「アンセム(Anthem)」は誰もが知っているフロアの定番曲、「ディグる(Dig)」はレコード店やネットで自分好みの曲を能動的に探す行為を指します。ダンスミュージックを愛する人々の共通言語であり、音楽への情熱を表す言葉です。

フェスでアンセムが流れた時の一体感は格別で、苦労してディグった隠れた名曲を友人に教えるのも音楽ファンの醍醐味と言えます。もともとは「掘る」という意味のDigですが、今では「情報を深掘りする」という意味でビジネスシーンでも使われることがあります。

音楽をただ受動的に聴くだけでなく、積極的に楽しんでいることを表現できる言葉です。

5.ダンスミュージックの楽しみ方

ダンスミュージックの楽しみ方について、以下の3点に分けてご紹介していきます。

・自宅での楽しみ方
・フェスでの楽しみ方
・クラブでの楽しみ方

一つずつ見ていきましょう。

5-1.自宅での楽しみ方

自宅は、最も手軽に、そして自分のペースでダンスミュージックの世界を探求できる入り口です。

SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスを使えば、世界中の膨大な楽曲ライブラリに瞬時にアクセスできるためです。作業用BGMとして流して集中力を高めたり、お酒を飲みながらリラックスして聴いたりと、自由な楽しみ方が可能です。

気になったアーティストをその場で検索して深く知ることができるのも、自宅ならではの利点でしょう。まずは自宅でいろいろなジャンルを聴き漁ってみるのが、趣味として長続きする秘訣かもしれません。

5-2.フェスでの楽しみ方

フェス(音楽フェスティバル)は、野外の開放感と巨大なステージ演出の中で音楽を楽しむ、非日常的なエンターテインメントです。

数万人規模の観客と共に、爆音の音楽に合わせて身体を動かす一体感は、ほかの場所では味わえない特別な体験だからです。音楽だけでなく、フェス飯(フード)を楽しんだり、派手なファッションに身を包んだりと、イベント全体がお祭りのような雰囲気です。

有名なDJやアーティストを一度にたくさん見ることができるのも、フェスの大きな魅力となります。音楽の知識があまりなくても、アトラクション感覚で楽しめるので、友人を誘って参加するのに最適です。

5-3.クラブでの楽しみ方

クラブは、良質なサウンドシステムで「音を浴びる」体験ができる、ダンスミュージックの本質を味わえる場所です。

暗いフロアのなかで、DJが作る一晩のストーリーに身を任せて踊る没入感こそが、このカルチャーの真骨頂だからです。

フェスよりも距離感が近く、低音が身体に直接響いてくる感覚は、一度味わうと病みつきになります。最初は入りにくい雰囲気があるかもしれませんが、純粋に音を楽しみに来ている人がほとんどなので、おそれる必要はありません。

音楽そのものと深く向き合いたいなら、ぜひ一度クラブに足を運んでみてください。

6.まとめ

この記事では、ダンスミュージックの基礎知識から、主要なジャンルの違い、そして歴史や楽しみ方までを幅広く解説しました。

ダンスミュージックの根底にあるのは、「音楽に合わせて体を揺らす楽しさ」という、とてもシンプルな感情です。ぜひこの記事を参考に、サブスクでお気に入りのジャンルを「ディグって」みたり、実際のフェスやクラブに足を運んだりしてみてください

GYOKKODOでは、DVDやBlu-ray、CDなどの高価買取を実施中です。ご自宅に不要になったDVDやBlu-rayがある方は、GYOKKODOの店頭買取や宅配買取をぜひご利用ください。

noimage

コラム監修者

テキスト〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

コラム一覧へ戻る