2026/01/05

ワールドミュージックとは?歴史と日本でのブームや音楽的な特徴を紹介

ワールドミュージックとは?歴史と日本でのブームや音楽的な特徴を紹介

ワールドミュージックという言葉を耳にし、「ワールドミュージックってどんな音楽?」「ワールドミュージックについて分かりやすく知りたい」と思っていませんか?

ワールドミュージックとは、特定の国や地域の伝統音楽や民族音楽を基盤にしつつ、国境を越えて多様な文化背景を持つ音楽を総称した呼び名です。

この記事では、ワールドミュージックについて、歴史と日本でのブームや音楽的特徴まで紹介していきます。また、地域別のワールドミュージックの代表例も紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

1.ワールドミュージックとは?

ワールドミュージックとは、西洋中心の主要カテゴリ外の音楽をまとめて扱う際の呼び名として使われることが多い言葉です。特定の音楽スタイルを指すジャンル名ではなく、西洋中心主義的な視点から多様な音楽文化を包括するために定義されました。

アフリカの打楽器音楽や中東のアラブ音楽、これらを現代風にアレンジしたポップスまで、対象は極めて広範囲にわたります。多様な地域の伝統とアイデンティティを一つのカテゴリーとして扱うことで、読者は未知の音文化へ容易にアクセスできるようになりました。

地球上の音楽的多様性を楽しむための「大きな器」として、この概念は重要な役割を果たしています。

2.ワールドミュージックの歴史と日本でのブーム


ワールドミュージックの歴史と日本でのブームについて、以下の2点から解説していきます。

・1987年ロンドンから広まる
・坂本龍一など越境的なサウンドを取り入れた動きと日本での受容

それぞれ解説します

2-1.1987年ロンドンから広まる

「ワールドミュージック」という呼称は、1987年にロンドンのインディー・レーベル関係者が集まった会議でマーケティング用語として広まった言葉です。

当時、アフリカや中南米の音楽はレコード店で「民族音楽」などの曖昧な棚に置かれており、販売効率を上げるための統一名称が求められていました。複数のレーベルが共同キャンペーンをおこなう際に共通のプロモーション・タグとして使用したことで、世界的な認知を得るに至りました。

この便利なラベルは、多様な音楽を多くの人の耳に届けるきっかけとなったのです。音楽的な分類以上に、流通と販売を円滑にするための「仕掛け」として誕生した経緯があります。

2-2.坂本龍一など越境的なサウンドを取り入れた動きと日本での受容

日本では、坂本龍一をはじめ、細野晴臣やYMO周辺の音楽家たちが、世界各地の音楽要素を積極的に取り入れた越境的な表現を展開しました。

坂本龍一のアルバム『NEO GEO』に代表されるように、電子音楽を基盤としながら、アフリカ音楽や沖縄音楽、東南アジアの伝統音楽の要素を融合させたサウンドは、当時のリスナーに強い衝撃を与えました。

こうした動きと並行して、沖縄音楽やインドネシアのガムランなど、非西洋音楽そのものにも注目が集まり、単なる「珍しさ」ではなく音楽的価値として評価される土壌が育まれていきます。

越境的な音楽表現は、日本における音楽体験の幅を大きく押し広げる原動力となりました。

3.ワールドミュージックを形作る音楽的特徴

ワールドミュージックを形作る音楽的特徴として欠かせないポイントは、以下の2つです。

・地域ごとに異なるリズム体系(ポリリズム、循環構造、変拍子)
・伝統楽器・歌唱法だけでなく現代的アレンジやクロスオーバーも多い

ひとつずつ解説します。

3-1.地域ごとに異なるリズム体系(ポリリズム、循環構造、変拍子)

ワールドミュージックの根幹には、アフリカや東欧などに見られる、数学的かつ肉体的な複雑なリズム構造が存在します。西洋の4分の4拍子といった単純な刻みとは異なり、複数の異なるリズムが重なり合う「ポリリズム」や、独特の周期を持つ「変拍子」が多用されるのが特徴です。

西アフリカのジャンベによるアンサンブルや、バルカン半島の複雑なダンス・ミュージックは、聴き手に強烈なグルーヴを感じさせます。これらのリズムは単なるビートではなく、コミュニティの結束を象徴する重要な要素として機能してきました。

西洋的な時間感覚を揺さぶる多様なリズム体験は、ワールドミュージックならではの醍醐味です。

3-2.伝統楽器・歌唱法だけでなく現代的アレンジやクロスオーバーも多い

現代のシーンでは、伝統楽器と電子音をミックスさせ、ロックやジャズと融合させる「クロスオーバー」が多くなっています。アーティストたちは自国のアイデンティティを大切にしながら、現代のグローバルな感性に対応しようとしています。

シタールにエフェクターをかけたり、民族合唱をクラブ・ミュージックのトラックに乗せたりする手法は、今や珍しくありません。こうした実験的な試みは若い世代のリスナーを惹きつけ、伝統を未来へと繋ぐ架け橋となっています。

静止した保存芸能ではなく、変化し続ける「生きた音楽」としての姿がそこにあります。

4.【地域別】ワールドミュージックの代表例


地域別のワールドミュージックの代表例は、以下の4つです。

・アフリカ音楽
・ラテンアメリカ・カリブ音楽
・アジア・中東音楽
・ヨーロッパ・その他の地域

それぞれ解説します。

4-1.アフリカ音楽:生命力あふれるリズムの源泉

アフリカ由来のリズムや音楽文化は、ブルースやジャズなど多くのポピュラー音楽に大きな影響を与えてきた、圧倒的な生命力を持つリズムが最大の特徴です。

この大陸の音楽はコミュニティの儀式や労働と不可分であり、人々のエネルギーを音に昇華させる力を持っています。ナイジェリアのフェラ・クティとトニー・アレンらによって形作られた「アフロビート」は、強力なブラス・セクションと執拗なパーカッションで聴く者を圧倒するほどです。

サハラ地域周辺の「砂漠のブルース」も、独特の哀愁とグルーヴで世界的に高く評価されています。すべてのリズムの母体とも言えるアフリカの音は、聴く者の本能を呼び覚ます力強さに満ちています。

4-2.ラテンアメリカ・カリブ音楽:情熱と哀愁が混ざり合う音色

ラテンアメリカやカリブ海の音楽は、情熱的なダンス・リズムと、歴史背景に由来する深い哀愁が混ざり合った独特の音色を持っています。

ヨーロッパの植民地支配やアフリカからの奴隷貿易といった複雑な歴史を経て、多様な文化が交差するなかで独自の音楽が育まれました。ブラジルのボサノヴァ、キューバのサルサ、ジャマイカのレゲエなどは、いずれも世界中で愛される代表例です。これらの音楽は、激しく体を揺らす喜びの裏側に、どこか切なさを感じさせる旋律を含んでいます。

人生の光と影を同時に表現する奥深さが、多くの人々を魅了して止みません。

4-3.アジア・中東音楽:神秘性とエキゾチックな響き

アジアや中東の音楽は、神秘的な宗教観や瞑想的な雰囲気を感じさせるエキゾチックな響きが特徴です。

微分音を用いた旋律や、長時間にわたる即興演奏の構造が、聴き手をトランス状態へと誘います。インドの「ラガ」や中東のアラブ音楽、インドネシアの「ガムラン」などは、緻密な音響構造によって精神的な高揚や安らぎをもたらします。

西洋音楽とは異なる時間感覚で展開されるこれらの音楽は、まるで「音による旅」をしているかのような体験を与えてくれます。繊細で奥深い響きは、現代社会における癒しの音楽としても注目されています。

4-4.ヨーロッパ・その他の地域:越境する伝統音楽

ヨーロッパやそのほかの地域では、伝統音楽が現代のポップスやジャズと結びつき、新たな形で再構築されています。

クラシックの伝統がある一方で、辺境の民族音楽も独自の進化を遂げながら現代のシーンに影響を与え続けています。アイルランドのケルト音楽に見られる澄んだ旋律や、東欧のジプシー・ブラスの爆発的なエネルギーは、映画音楽やフェス文化にも深く浸透しました。これらの音楽は国境を越えて人々の郷愁を誘い、懐かしさと新しさを同時に感じさせてくれます。

伝統をアップデートし続けるサウンドは、現代における「新しいクラシック」とも言える存在です。

5.ワールドミュージックの現代的な聴き方・楽しみ方

ワールドミュージックの現代的な聴き方・楽しみ方は、以下の4つです。

・サブスクのプレイリスト機能を活用して未知のジャンルを広げる
・世界中のラジオをリアルタイムで聴いて現地の空気を感じる
・ライナーノーツを読み込み音楽の背景にある歴史を知る
・中古レコード店やネットオークションでレア盤を収集する

ひとつずつ解説します。

5-1.サブスクのプレイリスト機能を活用して未知のジャンルを広げる

SpotifyやApple Musicといったサブスクリプションサービスを活用すると、芋づる式に未知のジャンルを広げられます。Spotifyなどでも「World Music/World系」のプレイリストや関連アーティスト機能を辿って探索ができるためです。

特定のアーティストを起点に、アルゴリズムが推奨する「関連アーティスト」を辿るだけで、未開拓の国の音楽に容易に辿り着けます。自分だけの「世界音楽旅行」プレイリストを作成し、日々更新していくのも楽しみのひとつです。デジタルの利便性を活かすことで、私たちの音楽地図は無限に広がっていきます。

5-2.世界中のラジオをリアルタイムで聴いて現地の空気を感じる

「Radio Garden(ラジオガーデン)」などのWebサービスを利用すれば、世界中のラジオ局をリアルタイムで聴き、現地の空気をダイレクトに感じられます。作品として完成された音楽だけでなく、その土地で今流れている流行やニュースを含めた「生活の音」を体験できるためです。

アフリカの地方都市から流れる土着的なポップスや、中東の朝の礼拝を告げる放送は、まるでその場にいるような臨場感を与えてくれます。アルバム鑑賞とは異なる生々しい文化体験は、地球上の「今」に耳を澄ませる貴重な機会となります。

5-3.ライナーノーツを読み込み音楽の背景にある歴史を知る

音楽そのものを楽しむだけでなく、ライナーノーツや関連書籍を通じて背景にある歴史を知ることで、鑑賞の質は飛躍的に高まります。ワールドミュージックの多くは、政治的抑圧や移住の歴史、宗教的な信念など、深い物語を背負って生まれているためです。

歌詞の対訳やアーティストのインタビューを読むことで、独特の響きが切実な「叫び」や「祈り」として胸に響くようになります。単なるBGMではなく、ひとつのドキュメンタリーとして音楽を捉える楽しみ方です。文脈を理解することは、音楽を通じて他者への共感を深めるプロセスでもあります。

5-4.中古レコード店やネットオークションでレア盤を収集する

配信サービスには存在しない埋もれた名盤を中古レコード店やオークションで探し出す「ディギング」は、ファンの終着点とも言える楽しみです。ディギングとは、埋もれている価値ある音楽・作品・情報を、自ら掘り起こして発見する行為のことです。

世界にはまだデジタル化されていない素晴らしい音源が無数に眠っており、実物を手にした時の喜びは格別です。1970年代のアフリカ盤や中東のシングルなど、物理的な質感を楽しみながら失われた音を蘇らせる感覚は、収集欲を刺激します。

ジャケットデザインからも当時の文化や空気感を感じ取ることができ、視覚的にも豊かな体験となります。一点もののレア盤との出会いは、まさに一期一会の宝探しです。

6.まとめ

ワールドミュージックとは、単なるジャンルを超え、地球上の多様な価値観や文化を肯定するための手段です。その歴史や特徴を知ることは、世界の多様性を再確認し、異文化への敬意を払うことにもつながります。

かつてのブームを経て、現在はデジタルツールにより誰でも手軽に世界の音にアクセスできる幸福な時代となりました。紹介したさまざまな楽しみ方を通じて、ぜひあなただけの「世界の音」を探し出してみましょう。

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コラム監修者

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