2026/06/22

クラシックギターとアコギの違いとは?弦・音色・見分け方を解説

クラシックギターとアコギの違いとは?弦・音色・見分け方を解説

「クラシックギターとアコギの違いとは?」「クラシックギターとアコギの見た目や構造の違いを知りたい」と思っていませんか?クラシックギターと一般的なアコギ(スチール弦アコースティックギター)の大きな違いは、使用する弦の材質です。クラシックギターは主にナイロン弦、アコギは主にスチール弦を使用するため、音色や弾き心地に違いがあります。また、弦の張力や振幅の違いに合わせて、ボディ構造やネック幅、適した奏法・音楽ジャンルも異なります。
この記事では、クラシックギターとアコギの違いについて、弦・音色・見分け方を紹介していきます。また、クラシックギターやアコギに合う音楽ジャンルまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

1.クラシックギターも広い意味ではアコースティックギター


アコースティックギターは「電気を使用せず、生音を鳴らすギター」の総称であり、鉄弦のフォークギターも、ナイロン弦のクラシックギターも広義にはすべて含まれます。どちらも電子的な増幅を行わず、木製のボディ内で音を共鳴させて響かせる構造を持つためです。

日本では一般的に「アコギ=スチール弦を張ったフォークギター」として別々に扱われがちですが、世界的には両者とも同じカテゴリーに属します。前提知識を持っておくだけで、楽器店でのカタログ選びや最初の1本を選ぶ際の混乱を防げます。まずは、同じ起源を持つ「生ギター」の仲間であることを理解しておきましょう。

2.アコギとクラシックギターの違い・見分け方

アコギとクラシックギターは、使用する弦やパーツ形状、ネック設計が根本的に異なり、弾きやすさや音色に大きな違いを生んでいます。

・使用する弦の種類
・ヘッドやブリッジなど見た目の違い
・ネック幅と弦間隔の違い
・音色と演奏方法の違い

具体的な違いを詳しく確認し、どちらが自分に向いているかを見極める手がかりにしてください。

2-1.使用する弦の種類

アコギはきらびやかな音を出すスチール弦を、クラシックギターは柔らかい音を出すナイロン弦を使用します。金属製の鉄弦と、合成樹脂製のナイロン弦では、弦にかかる張力や素材の特性が異なるためです。金属製で硬いアコギの弦は爪やピックで弾くとハッキリした高音が出ますが、ナイロン弦は柔らかい触り心地で温かみのある中低音が響きます。

弦の材質は、初心者が実際に弦を押さえたときの指の痛みや弾き心地を左右する最大の要因です。奏でたいサウンドや指への負担を考慮し、自分に合う弦を選びましょう。

2-2.ヘッドやブリッジなど見た目の違い

アコギはソリッドヘッドやピックガードを備えるモデルが多く、クラシックギターは中抜きのスロテッドヘッドで、ピックガードがないモデルが一般的です。各演奏スタイルや弦の張力に耐えられるよう、細部まで設計されているためです。

アコギではピックによるストロークからボディを守るためにピックガードを備えるモデルが多く、クラシックギターでは一般にピックガードを備えないモデルが多いです。弦を巻き取るペグが横向きか縦向きかという構造の差も、外観の印象を大きく変えるポイントです。一見似ているギターですが、細部を見比べるだけで簡単に見分けることができます。

2-3.ネック幅と弦間隔の違い

アコギはネック幅が約43mmと細めでコードを握りやすく、クラシックギターは約52mmと太めで単音を正確に弾き分けやすい設計です。目指す演奏性において、弦同士の間隔が指の動きやすさに直接影響するためです。アコギはコードストロークやフィンガーピッキングに対応しやすく、クラシックギターは親指をネック裏に置き、指先で旋律や和音を弾き分けやすい設計になっています。

握り心地が約1cmも異なるため、実際に触ると手のひらで感じる太さの差に驚くはずです。手の大きさや挑戦したい曲のスタイルに応じて、最適なネック形状を見極めてください。

2-4.音色と演奏方法の違い

アコギはきらびやかな音色を活かしたピックによるストロークが多く、クラシックギターは甘い音色を活かした指でのソロギター演奏が主流です。楽器が持つ弦の特性や響きが、それぞれの演奏スタイルに最も適しているためです。

アコギは歌の伴奏などで軽快にストロークされるのに対し、クラシックギターは主旋律と伴奏を同時に指先で弾き分ける独奏が一般的に行われます。同じ「弾く」行為であっても、生み出される音楽的効果や楽曲の雰囲気は全く異なります。奏でたい音楽やスタイルに応じて、選ぶべき楽器が自然と決まります。

3.アコギに合う音楽ジャンル


アコギは鋭く前に抜けるきらびやかな音色と十分な音量を誇り、歌声の伴奏やバンドでのリズムキープを必要とする現代のポピュラー音楽に適しています。

・フォーク
・ポップス
・ロック
・カントリー

魅力が最大限に発揮される代表的なジャンルを紹介します。
関連記事:音楽ジャンルがわからないときの見分け方|主要ジャンル一覧と調べ方を解説

3-1.フォーク

アコギはフォークソングの歴史そのものであり、歌声を引き立てるシンプルなコード弾き語りに最適です。素朴で力強い金属的な響きが、日常のメッセージを伝える歌声に美しく寄り添うためです。1960年代のブームから現代のシンガーソングライターまで、アコギ1本と歌だけで聴衆を魅了するスタイルが定着しています。

シンプルなコード進行だからこそ、豊かな強弱がダイレクトに情感となって伝わります。歌が主役のフォークにおいて、アコギは単なる伴奏を超えた最高の相棒です。
関連記事:フォークソングとは?歴史やフォークソングを彩ったアーティストまで紹介

3-2.ポップス

ポピュラー音楽において、アコギのシャープな音色はアンサンブルに豊かな彩りとグルーヴを与えます。きらびやかな高音域とアタック音はドラムや電子楽器の中でも埋もれず、自然なアクセントを加えるためです。

イントロのアルペジオで切ない雰囲気を演出したり、サビの爽快なストロークで盛り上げたりと、曲全体のドラマ性を高めます。バンド編成から弾き語りまで、楽曲の魅力を引き立てる万能な役割を果たします。ポップスを華やかに、そして生き生きとした仕上がりにするためにアコギは欠かせません。

3-3.ロック

エレキギターが主役のロックであっても、緩急や奥行きを表現するためにアコギが広く導入されます。歪んだギターサウンドに対し、生楽器の澄んだクリーン音がもたらすコントラストが効果的なためです。

ハードロックバンドの静かなバラードや壮大なイントロに、アコギの響きが挿入されるケースが多く見られます。激しさの隙間に差し込まれる生々しい美しさは、リスナーの感情を揺さぶります。深い情緒と立体的なダイナミクスを生み出す手段として、ロックにおけるアコギは重要な役割を担います。
関連記事:ロックとはどんな音楽?ロックの歴史や種類を徹底解説

3-4.カントリー

アメリカ伝統の音楽であるカントリーでは、歯切れの良いストロークや高速フィンガーピッキングが楽曲の骨格を担います。軽快な弦楽器と相性が良く、推進力のあるリズムを安定して供給し続ける役割があるためです。
「フラットピッキング」と呼ばれる素早いリードプレイや、ベースとコードを交互に弾くギャロップ奏法が有名です。どこか懐かしく陽気なサウンドは、アコギの硬く明るい響きがあって初めて成立します。カントリーのリズムセクションにおいて、アコギはまさに中心的な存在です
関連記事:カントリーミュージックとは?歴史やジャンルの比較と違いまで解説

4.クラシックギターに合う音楽ジャンル

クラシックギターはナイロン弦の甘い響きを活かし、指先で繊細にコントロールしながら一音一音を深く響かせるジャンルに最適です。

・クラシック音楽
・ボサノバ
・フラメンコ
・フィンガースタイル

温かく繊細な響きが最大限に発揮される代表的なジャンルを紹介します。

4-1.クラシック音楽

クラシック音楽において、ギターはメロディ、伴奏、低音を1本で弾き分ける豊かな表現力を発揮します。各弦の音の分離が良く、奏者のタッチ次第で多彩な音色をコントロールできる設計になっているためです。

バッハ作品のギター編曲から、ソルやタレガらの独奏曲まで、幅広い時代の作品を独奏で表現できます。主旋律と伴奏を高度に織り交ぜた立体的な響きは、聴く人を深い芸術の世界へと誘います。名曲を繊細に表現するうえで、ナイロン弦のギターは有力な選択肢です。
関連記事:クラシックとは?意味やクラシック音楽の特徴・ポップスとの違いを解説

4-2.ボサノバ

ブラジル生まれのボサノバでは、ささやく歌声に寄り添う、柔らかく乾いたナイロン弦特有の伴奏が欠かせません。強烈なアタック感がないため、耳元で語りかけるような独特のアンニュイな空気感に調和するためです。

「イパネマの娘」などの名曲に見られる、シンコペーションを用いたコードバッキングは穏やかなリラックス空間を作ります。心地よく涼しげなグルーヴは、クラシックギターだからこそ生み出せる唯一無二のものです。極上のリラクゼーションを提供するボサノバにおいて、クラシックギターは欠かせない主役です。

4-3.フラメンコ

スペイン伝統のフラメンコでは、立ち上がりの鋭い硬質な音を持つ専用のギターが、打楽器的奏法で歌や踊りを引き立てます。より軽量な木材を使い、弦高を低く抑えてパーカッシブな音が鳴るよう設計されているためです。

指先でボディを叩く「ゴルペ」や、かき鳴らす「ラスゲアード」など、非常にダイナミックなテクニックを多用します。情熱的なダンスや歌に負けない力強い躍動感は、特徴的な演奏スタイルから生み出されます。スペインの熱い息吹を感じさせるステージにおいて、哀愁を帯びた鋭いサウンドは不可欠な要素です。

4-4.フィンガースタイル

ポピュラー音楽などを1本で表現するフィンガースタイルにおいて、温かい音色のナイロン弦は独奏の魅力を極限まで引き出します。繊細なタッチが直接音色へ反映され、耳当たりが優しく穏やかな響きを生み出せるためです。

映画音楽やJ-POPをアレンジしたソロギターは、カフェのBGMや動画配信サイトでも親しまれています。弦を弾く強さや角度によって千変万化する表情は、いつまでも飽きずに弾き続けられる魅力があります。メロディと伴奏を1本でしっとり聴かせたいとき、クラシックギターは素晴らしい選択肢です。

5.初心者にはアコギとクラシックギターのどちらがおすすめ?

初心者の方がどちらを選ぶかは、憧れのプレイスタイルと弦の硬さによる指の痛みへの懸念から判断するのが最適です。

・アコギがおすすめな人
・クラシックギターがおすすめな人

楽器ごとの性質を考慮しながら、最初のパートナーを一緒に見極めましょう。

5-1.アコギがおすすめな人

最新ポップスを歌いながら弾きたい方や、ピックを用いた爽快なコードストロークを楽しみたい方にはアコギをすすめます。抜けの良いきらびやかなサウンドは、歌を支える伴奏として最高の相性を発揮するためです。

「弾き語りに挑戦したい」「憧れのアーティストのようにストリートで弾き語りたい」という夢を持つ方に最適です。弦はやや硬めですが、指先が少しずつ慣れていく過程も含めて上達をダイレクトに実感できます。ポピュラー音楽を演奏するワクワク感を最短で味わうなら、アコギが最適なファーストギターです。

5-2.クラシックギターがおすすめな人

クラシックやボサノバの優美な独奏を好む方、指が痛くなりにくい柔らかい弦から始めたい方にはクラシックギターが最適です。ナイロン弦はスチール弦より柔らかく、初心者が直面しがちな「弦が痛くて押さえにくい」という負担を軽減しやすいためです。

「自宅でじっくりとソロギターを奏でたい」「負担なく弦の押さえ方を身につけたい」という方に合致した選択肢です。ネックはやや太めですが、正しいフォームを覚えれば、一音一音を豊かに響かせることができます。自分のペースで穏やかに音楽に親しみたいなら、クラシックギターから始めるのが最適です。

6.まとめ

アコギとクラシックギターは「電気を使わない」という共通点を持ちながら、使用する弦や構造、得意ジャンルが大きく異なります。目指す音響や演奏性を高めるため、細部の設計が特化されているためです。歌声を支えるスチール弦と、ソロを繊細に紡ぐナイロン弦は、それぞれに唯一無二の魅力があります。どのルートを選んでも、生音の振動が体に伝わるアコースティックならではの感動は等しく体験が可能です。

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