2025/08/08

レコードブームが起きている4つの理由!若者を惹きつけるレコードの魅力

レコードブームが起きている4つの理由!若者を惹きつけるレコードの魅力

一度はCDや配信に主役を奪われたアナログレコードが、サブスクリプションが台頭している今、若者たちをも巻き込み空前のブームを迎えていることはご存じですか?

一体なぜ、デジタル全盛のこの時代に、レコードの人気が再燃しているのでしょうか。

この記事では、レコードブームの真相を、具体的なデータや若者に人気がでている理由を中心に解説していきます。また、レコードの始め方や特に人気があるジャンルなども解説していますので、レコードをこれからはじめようと思っている方も、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.レコードブームは本物?データで見る市場の再燃

現在のレコードブームは、単なる一部の熱狂的なファンの盛り上がりではなく、公式な統計データにも裏付けられた、本物の市場の再燃です。

CDの登場以来、長らく低迷を続けていたアナログレコードの生産額や売上額は、近年驚異的なV字回復を遂げています。その具体的な規模を、国内外のデータから見ていきましょう。

1-1.【35年ぶりの市場規模に】生産額・生産枚数の推移

日本レコード協会の発表によると、2024年の日本国内のアナログレコードの生産額は70億円を突破しました。レコードの生産額が70億円を超えたのは、1989年以来35年ぶりとのことです。

出典参照:好調アナログレコード生産 35年ぶり水準 | nippon.com

また以下のグラフは2020年以降のアナログレコード生産額の推移を表したものです。2020年以降だけを見ても、邦楽・洋楽ともにアナログレコードの生産額が順調に増えていることがわかります。

キャプチャ引用:日本のレコード産業2025|日本レコード協会

一度は消えかけたかに見えたレコード市場が、完全に復活を遂げたことが、実際の数字から見て取れます。

1-2.海外でもレコード市場は伸びている

アナログレコード市場の伸長は、日本だけでなく、アメリカやイギリス、ドイツといった世界の主要な音楽市場でも同時に起きています。

国際レコード産業連盟(IFPI)の報告でも、CDの売上が減少を続ける一方で、レコードの売上は10年以上連続で増加を記録しています。とくに若者世代が、ストリーミングと並行して好きなアーティストのレコードを「所有」する、という新しい形で音楽を楽しんでいるのです。

また2033年には、世界のレコード市場が「35億ドル」に達するという見込みもあります。

出典参照:世界のレコード市場は2033年までに35億ドルに達する見込み|IMARC Group

世界的なレコード市場の拡大は、決して一過性のものではなく、今後も継続していくでしょう。

2.レコードのブームが再燃している4つの理由


デジタル全盛の現代において、レコードの人気が再燃している背景には、以下4つの理由が関係しています。

・デジタルにはない音が新鮮に聞こえる
・アートとしてジャケットを「所有」する喜びがある
・音楽とじっくり向き合う「体験」に価値がある
・人気アーティストによってアナログ盤でのリリースが増加している

なぜ人々があえて手間のかかるレコードに惹かれるのか、その魅力を探ります。

2-1.理由①デジタルにはない音が新鮮に聞こえる

デジタル音源のクリアなサウンドに慣れた若い世代にとって、レコードが持つ、アナログ特有の温かく丸みのある音質が、逆に「新鮮」なものとして魅力的に聞こえているのです。

レコードは、音の波形をそのまま溝に記録するため、デジタルに比べて、より滑らかで自然な音の質感を持つといわれています。また、「パチパチ」という針のノイズさえも、音楽の一部として味わい深いと感じる人も少なくありません。

2-2.理由②アートとしてジャケットを「所有」する喜びがある

サブスクリプションサービスの場合、電子機器の端末上でしか音楽を再生することができず、いつでも音楽を再生できる代わりに音楽を所有しているわけではありません。一方レコードは、約30cm四方の大きなジャケットアートとともに、音楽を「モノ」として所有できる喜びがあります。

丹念に作り込まれたジャケットデザインを鑑賞したり、お気に入りの一枚を部屋のインテリアとして飾ったりするのは、レコードならではの楽しみ方です。好きなアーティストの世界観を、より深くそして物理的に感じられるこの「所有感」が、ファンにとっては特別な体験といえるでしょう。

2-3.理由③音楽とじっくり向き合う「体験」に価値がある

レコードを聴くという行為は、袋から盤を取り出し、プレーヤーにセットし、そっと針を落とすという、一連の手間のかかる「儀式」であり、その体験そのものに価値が見出されています。

レコードでは曲のスキップが簡単にできないため、A面からB面へと、アーティストが意図したアルバム全体の流れを、集中して聴くことになります。情報として「音楽を消費する」のではなく、一つの作品として「音楽を鑑賞」するという豊かな時間をもたらしてくれるのです。

2-4.理由④人気アーティストによってアナログ盤でのリリースが増加している

近年のレコードブームを供給面から支えているのが、国内外の人気アーティストたちが、CDや配信と同時にアナログレコード盤を積極的にリリースするようになったことです。

J-POPのトップアーティストから、アイドル、そしてテイラー・スウィフトのような世界のスターまで、多くのアーティストがレコード盤を発売しています。これにより、昔の音楽を知らない若い世代も、自分の好きなアーティストの作品を通じて、自然にレコードの世界に触れる機会が増えました。

3.レコードブームを牽引しているのはずばり若者

現在のレコードブームを力強く牽引しているのは、CDすらあまり知らない、デジタルネイティブである10代から20代の「Z世代」の若者たちです。

彼らにとって、レコードは単なる音楽メディアではありません。SNSで映えるファッションアイテムであり、アーティストを直接応援する手段であり、そして何より、新しい発見に満ちた未知のカルチャーなのです。

3-1.往年のファンだけでなくレコードを知らない「Z世代」の若者たち

レコードブームの最も興味深い点は、リアルタイムでレコード全盛期を体験した50代以上のファンだけでなく、レコードに全く触れたことのない「Z世代」がその中心的な担い手となっていることです。

彼らは、物心ついた時から音楽は配信で聴くのが当たり前でした。だからこそ、物理的な「モノ」として音楽を所有しそのジャケットを飾るといった行為が、非常に新鮮で魅力的に映るのです。

近年では、自分の好きなアーティストのレコード盤をコレクションとして購入する若者が急増しています。

3-2.なぜ若者はあえて「不便」なレコードを選ぶのか

若者が、あえて手間のかかる「不便」なレコードを選ぶ背景には、効率性や利便性だけでは満たされない、「体験」や「本物感」を重視するZ世代特有の価値観があります。

ワンクリックで何でも手に入る時代だからこそ、自分でレコードを探し、針を落としてアルバム一枚をじっくり聴くという一連の行為が、贅沢で特別な「体験」となります。また、SNS上で自分のライフスタイルを表現するおしゃれなアイテムとしての側面も、レコードが若者を惹きつける大きな理由です。

3-3.海外でも「日本のシティポップ」レコードの人気が高まっている

近年のレコードブームを語るうえで欠かせないのが、アジアや欧米の若者を中心に巻き起こっている、1980年代の「日本のシティポップ」のレコード人気です。山下達郎や竹内まりやの楽曲がYouTubeのアルゴリズムなどを通じて海外で発掘され、「未来的でおしゃれだ」と一大ブームになりました。

出典参照:欧米もアジアも夢中!シティポップや歌謡曲など、日本の音楽が生む海外からの逆輸入現象とは?|GQ JAPAN

この影響で、日本の古いレコードを求めて海外から多くのファンが来日し、中古レコード店の相場も高騰しています。海外からのレコード需要も、現在のレコードブームを支える重要な要素の一つです。

4.【初心者向け】レコードブームに乗るための第一歩


レコードに興味を持ち「自分も始めてみたい」と思った方のために、ここからは、レコードを聴き始めるための具体的なポイントを3つご紹介します。

・レコードを聴くために最低限必要なものリスト
・最初の1台におすすめのレコードプレーヤー3選
・レコードの主な購入場所

それぞれ見ていきましょう。

4-1.レコードを聴くために最低限必要なものリスト

レコードを聴くためには、基本として「レコードプレーヤー」「アンプ」「スピーカー」という、3つの機材が必要です。レコードプレーヤーが読み取った信号は非常に微弱なため、まずアンプで増幅し、それをスピーカーで音に変換するという流れになります。

これら3つの機能が一つになったスピーカー内蔵のプレーヤーもあれば、それぞれを別々に揃える本格的な構成もあります。ご自身の予算や目的に合わせて、必要なものを選びましょう。

関連記事:LPレコードを聴くにはどんな準備が必要?必要な機材リストや再生手順

4-2.最初の1台におすすめのレコードプレーヤー3選

初めての一台には、難しい設定が不要で、すぐに音楽を楽しめる、初心者向けの機能が充実した以下のようなレコードプレーヤーがおすすめです。

・Bluetooth機能付きでワイヤレススピーカーに接続できるオーディオテクニカ社の「AT-LP60XBT」
・将来のアップグレードも楽しめるデノン社の「DP-300F」
・DJのような手動操作が楽しめるオーディオテクニカ社の「AT-LP120X」

これらは価格と性能のバランスが良く、さまざまな層に人気があります。

4-3.レコードの主な購入場所

レコードは、昔の貴重な盤が見つかる「中古レコード専門店」から、最新アーティストの新品が並ぶ「大手CDショップ」、そして世界中のレコードを探せる「オンラインストア」まで、様々な場所で購入できます。

宝探しのように一枚を探すなら中古店、安心して新品を手に入れたいならCDショップ、珍しい盤を探すならオンラインというように、目的によって使い分けるのが良いでしょう。

色々なお店を巡って自分だけの一枚を見つけるのも、レコードの大きな楽しみです。

5.中古市場でも人気の高いレコードのジャンル

中古レコード市場では、とくに時代を超えて愛される普遍的な名盤や、特定のファン層から熱狂的に支持されるジャンルのレコードが常に高い人気を誇っています。たとえば、以下のようなジャンル(アーティスト)のレコードです。

・ザ・ビートルズ
・ジャズ
・シティポップ

それぞれ解説します。

5-1.ザ・ビートルズ

ザ・ビートルズのレコードは、全てのポピュラー音楽の原点として、世代や国境を超えて、中古市場で最も安定した人気を持つジャンルの一つです。とくに、イギリスで最初に発売された「オリジナル盤」は、非常に希少価値が高く、コレクターの間で高値で取引されています。

また、日本盤であっても、保存状態の良いものや「帯」が付属しているものは高い評価を受けます。まさに、レコードコレクションの基本であり王道といえるでしょう。

5-2.ジャズ

ジャズのレコードは、その即興性あふれる音楽性だけでなく、録音そのもののクオリティの高さから、オーディオファンからも絶大な支持を集める人気のジャンルです。とくに、ブルーノートやプレスティッジといった1950年代から60年代にかけての名門レーベルのオリジナル盤は、その音の良さと希少性から、一枚数万円以上の値がつくことも珍しくありません。

ジャケットデザインのおしゃれさも魅力で、アートとして収集するファンも多いです。

関連記事:ジャズとは?ジャズの歴史と発展の流れやジャズの楽しみ方を紹介

5-3.シティポップ

シティポップは、1970年代から80年代にかけて日本で生まれた「洗練された都会的なサウンド」が特徴の音楽で、近年国内外の若い世代を中心に人気が再燃しているジャンルです。

山下達郎や竹内まりやのレコードは、今や世界中のコレクターが探すお宝となっており、中古市場での価格も驚くほど高騰しています。YouTubeなどを通じて日本の古い音楽の魅力が再発見された、現代ならではの現象といえます。

6.レコードを1円でも高く売る方法

もしお手持ちのレコードを売りたいと考えている方は、1円でも高く売るために以下の5点を実践してください。

・レコードの状態を整える
・レコードの買取相場を調べる
・レコードの専門店で売る
・複数の買取業者を比較する
・まとめて売る

一つずつ解説します。

6-1.レコードの状態を整える

レコードを査定に出す前は、専用のクリーナーで盤面のホコリや汚れを拭き取り、付属品が揃っているかを確認してください。

見た目のきれいさは、査定士の心証を良くします。また、日本盤に付属する「帯」は、それがあるだけで価値が数倍に跳ね上がることもある非常に重要なパーツです。歌詞カードやポスターといった購入時の付属品も、できる限り揃えておきましょう。

関連記事:レコードのクリーニング方法 | 必要な道具とクリーニング時の注意点

6-2.レコードの買取相場を調べる

査定に臨む前には、世界最大級のレコードデータベースサイト「Discogs(ディスコグス)」などを活用し、ご自身のレコードのおおよその買取相場を調べておくのがおすすめです。

レコードのジャケットや盤面中央のラベルには、規格番号が記載されています。この番号で検索すると、同じレコードが過去にいくらで取引されたかの履歴を確認できます。

レコードの相場を知っておくことで、買取店が提示した査定額が適正かをご自身で判断できるようになるでしょう。

6-3.レコードの専門店で売る

価値のあるレコードを売る際は、必ずレコードの専門知識を持った鑑定士が在籍する「中古レコード専門店」を選んでください。

一般的なリサイクルショップでは、レコードの真の価値(たとえば、希少なオリジナル盤かどうかなど)を判断できず、一律の安い価格で買い叩かれてしまう恐れがあります。専門家による正しい査定を受けることが、高価買取の絶対条件です。

6-4.複数の買取業者を比較する

レコードを高く売るための最も確実な方法は、2〜3社以上の専門店に査定を依頼し、見積もり額を比較する「相見積もり」をおこなうことです。

買取業者によって、得意なジャンルやそのときの在庫状況、そして抱えている顧客の層が異なるため、同じレコードでも提示される査定額には差が出ることが少なくありません。少し手間はかかりますが、最も高い価格を提示してくれたお店を選ぶことが、価値を最大化する最善の策です。

6-5.まとめて売る

もし、ある程度の枚数(数十枚以上)のレコードを売る場合は、バラバラに持ち込むよりも一度にまとめて査定に出すほうが、買取価格の交渉を有利に進められる可能性があります。とくに、「ジャズだけ」「ロックだけ」というようにジャンルが統一されていると、買取店側も商品として管理しやすく、査定額に色をつけてくれることがあります。

大量のコレクションを整理する際は、「まとめ売り」を意識してみると良いでしょう。

7.まとめ

この記事では、統計データで見るレコードブームの現状から、その背景にある4つの理由、そして中古市場での人気ジャンルや高く売るためのコツまでを、網羅的にご紹介しました。

現代のレコードブームは、単なる懐古趣味ではなく、デジタルに慣れ親しんだ若い世代が音楽を「モノ」として所有し「体験」として味わう、新しい価値観を見出したことで起きています。

ぜひこの機会に、レコードの魅力を深く知り、自分なりの楽しみ方を見つけてみてください。

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コラム監修者

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