2025/12/08
ハウスミュージックとは?ほかジャンルとの違いや歴史を解説
「ハウスミュージックとは?」「ハウスミュージックのジャンルを分かりやすく知りたい」と思っていませんか?
ハウスミュージックとは、1980年代初頭にアメリカ・シカゴで誕生したダンスミュージックのジャンルで、クラブカルチャーやDJ文化の発展に大きく貢献した音楽スタイルです。
この記事では、ハウスミュージックについて、その特徴・歴史と、ほかのジャンルとの違いを解説していきます。また、ハウスミュージックがおすすめなシーンまで解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.ハウスミュージックとは?

ハウスミュージックとは、1970年代後半から80年代にかけてアメリカのシカゴで誕生したダンスミュージックです。
ディスコやソウルミュージックをルーツに持ちながら、リズムマシンによる機械的なビートを取り入れている点が大きな特徴です。具体的には、「4つ打ち」と呼ばれる等間隔のバスドラム(ドン・ドン・ドン・ドン)を基本リズムとし、BPM(テンポ)は120〜130前後で構成される楽曲が多く見られます。
歌声やメロディといった「人間味」のある要素と電子音が融合しており、聴く人に高揚感と安心感の両方を与えます。
つまり、ハウスミュージックは、古いソウルミュージックの温かさと新しいテクノロジーのビートが混ざり合った、非常に奥深い音楽です。
2.ハウスミュージックの歴史
ハウスミュージックの歴史として重要なポイントは、以下の3つです。
・1980年代シカゴのクラブ「ウェアハウスミュージック」で誕生する
・ディスコがリズムマシンやシンセサイザーにより進化する
・UKでの「アシッド・ハウスミュージック」ブームを経て世界へ広がる
ひとつずつ解説します。
2-1.1980年代シカゴのクラブ「ウェアハウスミュージック」で誕生する
「ハウスミュージック」というジャンル名は、1970年代後半から80年代にかけてシカゴに実在した伝説的なクラブ「ウェアハウスミュージック(The Warehouse)」に由来します。
当時、このクラブのレジデントDJであったフランキー・ナックルズがプレイする、ディスコやソウルを独自に編集した音楽スタイルが絶大な人気を博しました。レコード店に訪れた客たちが、彼が掛けるような音楽を求めて「ウェアハウスミュージックの音楽(House Music)はどこだ?」と尋ねたことが、呼び名のきっかけだとされています。
つまり、ハウスミュージックとは特定の音楽理論から生まれた言葉ではなく、一つのクラブカルチャーから自然発生的に生まれたジャンル名です。
2-2.ディスコがリズムマシンやシンセサイザーにより進化する
ハウスミュージックのサウンドが確立された背景には、リズムマシンなどの電子楽器の普及が大きく影響しています。
ディスコブームが去った後、安価に出回るようになった「TR-909」などのリズムマシンを使って、DJたちは既存の曲に強力なビートを重ねるようになりました。こうして作られた楽曲は、ディスコの華やかさを残しつつも、機械的で反復性の高い、よりダンスに特化したサウンドへと変化していきました。
ハウスミュージックとは、廃れかけたディスコミュージックが、テクノロジーの力によってよりタフで現代的なダンスミュージックへと進化した姿です。
2-3.UKでの「アシッド・ハウスミュージック」ブームを経て世界へ広がる
シカゴで生まれたハウスミュージックは、海を渡ってイギリス(UK)へ伝わり、そこで爆発的な進化と流行を巻き起こしました。
とくに1980年代後半、「TB-303」というベースシンセサイザーが生み出す、うねるような独特なサウンドを特徴とする「アシッド・ハウスミュージック」が大ブームとなりました。このブームは「セカンド・サマー・オブ・ラブ」と呼ばれる巨大な野外レイヴ・カルチャーへと発展し、若者たちを熱狂させました。
このUKでのムーブメントが起爆剤となり、ハウスミュージックは単なるシカゴのローカルな音楽から、世界共通のダンスミュージックへと飛躍を遂げたのです。
3.ハウスミュージックとテクノ・EDMの違い
次に、ハウスミュージックと特徴が似ており、よく混同されがちな「テクノ」「EDM」との違いについて、それぞれ解説していきます。
3-1.ハウスミュージックとテクノの違い
ハウスミュージックとテクノの決定的な違いは、メロディの有無と、リズムに含まれるグルーヴ感です。
ハウスミュージックは、ディスコ音楽から発展した経緯があります。そのため、ボーカルが入ったメロディアスな楽曲が多く、思わず体が横に揺れるような独特の「跳ね」やファンキーな要素を持っています。
一方テクノは、電子音やノイズを機械的にループさせることで、トランス状態のような陶酔感を生み出すのが特徴です。
もし楽曲を聴いて、黒人音楽特有のソウルフルな歌声や、ピアノ、ストリングスといった生楽器の音が聴こえてきたら、それはハウスミュージックである可能性が高いといえます。逆に、無機質でクールな印象を受ける場合はテクノに分類されることが多いです。
3-2.ハウスミュージックととEDMの違い
ハウスミュージックとEDMの違いは、曲の構成と、ダンスフロアでの盛り上げ方にあります。
ハウスミュージックは、DJが曲を途切れさせずに繋ぎ、一晩中踊り続けられるような、一定のテンションを保つ構成が基本です。これに対しEDMは、フェスやスタジアムなどの大会場で数万人を熱狂させるために作られており、明確な「ビルドアップ(盛り上げ)」と「ドロップ(サビでの爆発)」という派手な展開を持っています。
ハウスミュージックは、ドライブのように心地よい揺れを長時間楽しむ音楽だとすれば、EDMがジェットコースターのように急上昇・急降下を楽しむ音楽だといえます。
この「瞬発力」か「持続力」かの違いが、両者の大きな特徴です。
4.知っておきたいハウスミュージックの主なサブジャンル

知っておきたいハウスミュージックの主なサブジャンルは、以下の3つです。
・ディープハウスミュージック
・テックハウスミュージック
・プログレッシブハウスミュージック
それぞれ解説します。
4-1.ディープハウスミュージック
ディープハウスミュージックは、その名の通り深く沈み込むような陶酔感を持った、大人っぽい雰囲気が魅力のジャンルです。
ジャズやソウル、ファンクなどの黒人音楽の要素を色濃く反映しており、BPMは110〜120程度と、一般的なハウスミュージックよりも少しゆったりしている傾向があります。派手な盛り上がりよりも、メロディアスなコード進行や繊細なボーカル、そして心地よい低音に浸ることを重視しています。
深夜のクラブや落ち着いたラウンジで、音に身を委ねてリラックスしたい時に最適な、非常に洗練されたハウスミュージックです。
4-2.テックハウスミュージック
テックハウスミュージックは、ハウスミュージックの持つグルーヴ感と、テクノの持つ無機質さを掛け合わせたハイブリッドなジャンルです。
ハウスミュージックのような踊りやすさを保ちつつ、テクノ特有のミニマル(最小限)で硬質なビートを取り入れているため、現代のクラブシーンで非常に高い人気を誇ります。無駄な装飾を削ぎ落としたソリッドなサウンドは、長時間聴いていても聴き疲れしにくく、淡々と踊り続けるのに適しています。
「ハウスミュージックのノリは好きだけど、もう少しクールで硬い音が聴きたい」という方には、うってつけのジャンルと言えるでしょう。
4-3.プログレッシブハウスミュージック
プログレッシブハウスミュージックは、「Progressive(進行する・進化する)」という言葉通り、物語のように徐々に展開していく構成が特徴的なジャンルです。
曲の冒頭から終わりにかけて、音のレイヤーが徐々に重なり合い、壮大なスケールで感情を揺さぶるようなドラマチックな展開を見せます。美しく叙情的なメロディやシンセサイザーの音が多用され、聴く人を深い没入感へと誘うサウンドスケープが魅力です。
一曲を通して一つの旅をするような感覚を味わえるため、音楽の世界観にどっぷりと浸りたい方におすすめのスタイルです。
5.ハウスミュージックがおすすめなシーン
ハウスミュージックがおすすめなシーンは、以下の3つです。
・一定のリズム反復で仕事や勉強の集中力を維持する
・疾走感のあるビートはドライブやランニングの気分を高める
・メロディアスな曲調で自宅でのリラックスタイムを演出する
ひとつずつ解説します。
5-1.一定のリズム反復で仕事や勉強の集中力を維持する
ハウスミュージックは、仕事や勉強など、集中力を必要とする作業中のBGMとして非常に優れています。
歌詞が少なめでループする構成の曲が多く、一定の4つ打ちリズムが淡々と続くため、脳を適度に刺激しつつも思考を邪魔しないためです。実際に、無音の状態よりも適度なリズムがあった方が、「ゾーン」と呼ばれる集中状態に入りやすいと感じる人も少なくありません。
「作業用BGM」としてハウスミュージックを流せば、余計な雑念を払い、一定のペースでタスクを処理していくための良きペースメーカーとなってくれるでしょう。
5-2.疾走感のあるビートはドライブやランニングの気分を高める
BPM120〜130というハウスミュージックのテンポは、身体を動かすアクティブなシーンと抜群の相性を発揮します。
このテンポは、心拍数が少し上がった状態や、ランニングやウォーキングのリズムと自然にシンクロしやすいため、運動をより楽しく感じさせてくれます。また、疾走感のあるビートと高揚感のあるメロディは、ドライブ中の景色が流れていくスピード感とも見事にマッチし、気分を前向きにしてくれます。
退屈になりがちな運動や長時間の移動も、ハウスミュージックのリズムに乗れば、爽快でポジティブな時間に変わるでしょう。
5-3.メロディアスな曲調で自宅でのリラックスタイムを演出する
自宅でゆったりと過ごす時間を、より上質で心地よいものにしたい時にもハウスミュージックは役立ちます。
激しすぎないビートと美しいサウンドは、読書やコーヒータイム、あるいは友人を招いてのホームパーティーのBGMとしても決して会話の邪魔になりません。とくにディープハウスミュージックなどのメロディアスで落ち着いた曲調のものは、流すだけで部屋をお洒落なカフェやホテルのラウンジのような空間に変えてくれます。
日常の喧騒を忘れ、リラックスした気分で夜を過ごしたいとき、ハウスミュージックは最高の雰囲気作りをサポートしてくれるでしょう。
6.まとめ
ハウスミュージックは、1970年代後半〜80年代にかけてシカゴで生まれた、ディスコやソウルをルーツに持つダンスミュージックです。4つ打ちの安定したビートとBPM120〜130前後のテンポ、そして人間味ある歌声やメロディと電子音が融合することで、心地よい高揚感を生み出します。温かいブラックミュージックの精神を継承しつつ、リズムマシンを用いた機械的なサウンドを取り入れた点が、ハウスミュージックならではの魅力です。
GYOKKODOでは、DVDやBlu-ray、CDなどの高価買取を実施中です。ご自宅に不要になったDVDやBlu-rayがある方は、GYOKKODOの店頭買取や宅配買取をぜひご利用ください。
コラム監修者
テキスト〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
